大学向けVR英語教育ツールのテレアポ——教授・国際課へのアプローチ術

大学へのテレアポは「誰に繋ぐか」で勝負が決まる

大学や教育機関へのテレアポは、一般企業への架電とはまったく別のゲームだ。受付が事務員だったり、担当教授が講義中で捕まらなかったり、そもそも「営業電話は取り次がない」というルールがあったりする。

しかし、EdTech(教育テクノロジー)市場は年率15%以上で成長しており、大学のDX化ニーズは確実に高まっている。特にTOEICやTOEFLといった資格対策、スピーキング力強化は多くの大学が課題として抱えている領域だ。

今回は、VRやAIを活用した英語教育ツールを大学に提案するテレアポの実践的なアプローチを見ていこう。

ターゲットの絞り込みが8割を決める

大学へのテレアポで最初にやるべきことは、アプローチ先の部署と担当者の特定だ。大学は組織が大きく、たらい回しにされると二度と繋がらなくなる。

狙うべき部署は3つ

  1. 国際課・留学センター — TOEIC/TOEFL対策に直接関わる部署。予算権限を持つことも多い
  2. 英語教育を担当する教授 — 教材選定の実権を持っている。学部のシラバスに組み込んでもらえれば大量導入に繋がる
  3. 情報システム部門 — LMS(学習管理システム)との連携が必要な場合、ここが窓口になる

ポイントは、事前にその大学のWebサイトで教授名や学部構成を調べておくことだ。「〇〇学部の英語関連の資格取得に関わるご担当者様」と具体的に言えると、受付の対応が変わる。

受付突破トーク——「教材の営業」ではなく「情報提供」で入る

大学の受付は企業以上にガードが固い。「営業の電話はお断りしています」と言われることも日常茶飯事だ。

ここで有効なのが**「情報提供」フレーム**だ。

「某出版大手から出資を受けているEdTech企業で、A大学やB大学でオンライン英語教育ツールを導入いただいています。来年度の補助教材の検討が始まっている時期かと思いまして、情報提供のご連絡でした」

このトークが効く理由は3つある。

  • 「営業」という言葉を使っていない — 「情報提供」に置き換えるだけで受付の警戒心が下がる
  • 有名大学の名前を出す — 「A大学でも使っている」は大学にとって最も刺さる訴求だ。教育機関は横並び意識が強い
  • 時期を意識させる — 「来年度の補助教材の検討時期」と言うことで、今聞かないと間に合わないという心理が働く

教授と話せたときのトーク設計

教授と話せたら、最初の30秒で3つの情報を伝える。

1. 何者かを明確にする

「某教育系大手企業から出資を受けたEdTech企業です」

出資元の知名度を借りるのは教育業界では特に効果的だ。大学は「どこが出しているか」を非常に気にする。

2. 同規模の大学での実績を出す

「A大学やB大学でオンラインの英語教育ツールを提供しています。導入校でTOEICスピーキング換算スコアが平均11点アップしました」

ここで重要なのは定量的な成果を伝えること。「好評です」では弱い。「スコアが11点上がった」「参加者の90%が大変満足と評価」のように数字で語る。

3. 「いきなり導入の話ではない」と安心させる

「もちろんすぐに導入してくださいという話ではありません。まずは情報提供としてデモをご覧いただければ」

教授は営業に慣れていない人が多い。圧をかけると一瞬で電話を切られる。「見るだけでいい」「費用は一切かからない」を先に伝えることで心理的ハードルを下げよう。

AI・VR教材ならではの差別化ポイント

英語教育ツールの市場は競合が多い。ただの動画教材だと「うちはスタディサプリ使ってます」で終わる。差別化のポイントを押さえておこう。

「動画を見るだけ」との違いを明確に

よくある動画教材は、講義の録画やネイティブの会話をそのまま流すだけだ。VRやAI搭載型のツールは、以下の点で根本的に違う。

  • AIが発音を採点する — 学生が自分のスピーキング力を客観的に把握できる
  • 会話形式でアウトプットできる — インプットだけでは伸びないスピーキング力を鍛えられる
  • コンテンツが月替わりで更新される — 時事ニュースや映画のワンシーンなど、学生が飽きない仕組み

「一般的なオンライン教材って、授業風景の動画を流すだけのイメージがあると思うんですけど、実はまったく違うんです」

この一言を入れるだけで、教授の「またか」という先入観を崩せる。

教授が最も気にする「学生の離脱率」問題

大学の英語教育で最大の課題は、学生のモチベーション維持だ。「途中でやめてしまう学生が多い」という悩みは、ほぼすべての大学で共通している。

テレアポの段階でこの課題を先回りして触れると、教授の関心を引きやすい。

「よくお聞きするのが、学生さんがそもそも学習意欲がそこまで高くなくて途中離脱しちゃうという話なんですけど、同じ課題を抱えていた大学さんでの活用事例がありまして」

このように「あるある」を共有することで、「この人はうちの状況を分かっている」と思ってもらえる。

日程設定のコツ——大学特有のスケジュール感

大学の教授は企業の担当者とスケジュール感が異なる。

  • 前期(4〜7月)/ 後期(10〜1月) — 講義期間中は多忙。アポは空きコマを狙う
  • 8〜9月、2〜3月 — 長期休暇中は比較的つかまりやすい。ただし海外出張に出ていることも
  • 3〜4月 — 来年度の教材選定が動く時期。提案するならここがベスト

アポの打診は「来週の〇日か〇日で、40分ほどZoomで」と具体的に提示する。「ご都合のいいときに」では永遠に決まらない。

無料トライアルを入り口にする戦略

大学は予算の仕組みが特殊で、年度途中での新規導入はハードルが高い。そこで有効なのが今年度は無料トライアル → 来年度に本導入という2段階アプローチだ。

「今年度は費用をいただかずにお試しいただけるので、来年度の補助教材として検討の余地があれば、まずは使用感を確認していただければ」

大学の予算は年度単位で決まるため、「今すぐ買ってほしい」は通用しない。トライアル期間を設けることで、次年度の予算申請に間に合わせるスケジュール感を作れる。

まとめ

大学向けテレアポは、企業向けとはまったく異なるアプローチが求められる。教授や国際課にリーチするには、事前リサーチと「情報提供」フレームが欠かせない。受付突破のカギは有名大学の導入実績、担当者との会話では定量的な成果と学生離脱という共通課題への共感がポイントだ。無料トライアルを入り口にして、来年度の本導入に繋げるロングスパンの設計を心がけよう。


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