テレアポで無料診断を入口にする電力コスト削減の攻め方
「無料診断だけ」で電力テレアポの成約率が変わる
電力コスト削減のテレアポは、正直なところレッドオーシャンだ。新電力の切り替え営業が大量に電話をかけまくった結果、「また電力の営業か」と受付で切られるのが日常になっている。
ところが、**「新電力に切り替えてください」ではなく「無料で料金診断するだけです」**と入口を変えるだけで、全く違う反応が返ってくることがある。
今回は、大手電力会社から正式に委託を受けた形で、高圧電力の無料診断を提案するテレアポのトークを分析してみる。
受付突破:「電力会社から正式に依頼を受けて」
電力系テレアポの受付突破で最も効くのは、大手電力会社の名前を出すことだ。
「某大手電力会社さんから正式に依頼を受けまして、御社でご利用の高圧電力の適正料金を無料診断している会社です」
この一文に、3つの武器が入っている。
- 「某大手電力会社から正式に依頼」:怪しい新電力の営業ではないと示す
- 「適正料金を無料診断」:売り込みではなく診断だと伝える
- 「会社です」:個人の営業ではなく法人としての活動だと明示
特に「正式に依頼を受けて」が強力だ。新電力の営業電話に辟易している受付にとって、「大手電力から委託」と言われれば「新電力の勧誘とは違うんだな」と判断してもらえる。
受付での取り次ぎ先は、「高圧電力の契約についてお分かりになる方」と具体的に。病院や施設なら「事務長様」、店舗なら「施設管理のご担当様」と業態に応じて変える。
「切り替えてください」と言わない
このアプローチの最大のポイントは、最後まで「新電力に切り替えてください」とは一切言わないことだ。
「新電力の会社に切り替えてくださいというお電話ではないので、ご安心ください」
この一言を入れることで、相手の構えが一気に解ける。実際、「新電力撤退」「基本料金4倍」「倒産」といったニュースが続いた後の電力テレアポでは、新電力への切り替え提案はかなり厳しい。
だからこそ、「切り替えではなく診断」という切り口が生きる。
「一度料金単価の分析データをお渡しするためのお電話です。今回データのお渡しだけなので、料金をすぐ下げますといったご提案はできないのですが」
「すぐ下げます」と言えないことを逆手に取っている。普通は「すぐ下げます!」と言いたいところだが、あえて「それはできない」と言うことで、誠実さと信頼感を演出している。
新電力撤退リスクの時事ネタが効く
担当者トークで最も反応がいいのは、新電力の撤退・倒産に関する時事ネタだ。
「最近、高圧電力の新電力会社さんが撤退したり、基本料金が4倍になったり、大手電力2社が出資していた新電力が倒産したり」
これを聞くと、すでに新電力に切り替えている企業は「うちも大丈夫かな」と不安になるし、まだ切り替えていない企業は「やっぱり安易に切り替えなくてよかった」と思う。どちらにしても、「一度ちゃんと診断してもらったほうがいいかも」という方向に動く。
さらに地域の具体的な数字を重ねる。
「各電力会社さんが、今年6月から10月にかけて高圧電力で12%から、高い地域で30%ほど値上げの通知を出しています」
「12〜30%」という数字のインパクトは大きい。年間の電力コストが仮に1000万円なら、30%値上げで300万円の増加。これは経営に直撃する金額だ。
「データをお渡しするだけ」のポジショニング
このテレアポで秀逸なのは、**「データをお渡しするだけ」**という徹底したポジショニングだ。
「料金単価の分析データをお渡しするのが目的です。必要であれば御社の方でご検討いただければ」
つまり、「判断はあなたがしてください。私たちはデータを提供するだけです」というスタンス。セールスではなく、情報提供。この線引きが、テレアポの成功率を上げている。
そして、相手から「診断してどうなるの?」と聞かれたときに初めて、
「もし現状より削減可能だった場合、御社で今の電力会社と交渉していただくことも可能ですし、私たちのサポートが必要であれば、削減できた場合のみ手数料をいただく完全成果報酬でお受けすることも可能です」
と出す。ここで重要なのは、2つの選択肢を提示していること。
- データを使って自分で交渉する(費用ゼロ)
- サポートを依頼する(完全成果報酬)
「1」の選択肢を先に出すことで、「この会社は自分たちの利益だけじゃなく、相手の選択肢も尊重している」という印象を与える。実際にはほとんどの企業がプロに任せたほうが楽なので「2」を選ぶのだが、「1」が存在すること自体が安心材料になる。
「もう診断してもらってる」への切り返し
電力系テレアポでよくある断り文句が「もう別のところに診断してもらった」だ。これに対する切り返しがうまかった。
「おそらく御社内での使い方の分析、デマンド監視的なお話かと思います。今回お渡しするのは外部の電力会社のビッグデータに基づく分析で、全国数十万社のデータから最安値を算出したものです」
相手がすでにやっている「社内の省エネ分析」と、自社が提供する「外部データに基づく料金分析」は全く違うものだと明確に線引きしている。これにより、「もうやってる」が「それは知らなかった」に変わる。
「全国の最安値でこの金額なので、ここまで下げることは可能ですよ、となった場合に限り、初めて下げられますというご連絡ができる」
「全国最安値のデータを持っている」というのは強い。自社内の分析だけでは見えない、外部の相場観を提供できるという価値を端的に伝えている。
日程設定のコツ:選択肢を絞る
電力テレアポの日程設定では、2択で提示するのが鉄則だ。
「来週の○日か○日はお電話のお時間ございますか?」
「いつがいいですか?」と聞くと、「ちょっとスケジュール確認して折り返します」→そのまま消える、というパターンが多発する。2択なら「○日のほうが空いてます」と即答してもらいやすい。
さらに、アポ確定後に確認すべきことも押さえておく。
- お電話が出れない時間帯
- 大体の月間電気料金(規模感の確認)
- オンライン面談の段取りの確認
特に月間電気料金を聞くのは、削減余地の事前スクリーニングとして重要だ。月額70〜80万円以上使っている施設なら削減インパクトが大きいので、優先的にフォローできる。
まとめ
電力コスト削減テレアポで「無料診断」を入口にするメリットをまとめると、
- **「大手電力から委託」**で新電力営業との差別化ができる
- **「切り替え提案ではない」**と明言することで警戒心を解く
- 新電力の撤退・倒産リスクという時事ネタで「診断してもらうべき」と思わせる
- **「データをお渡しするだけ」**のポジショニングでセールス感を消す
- 完全成果報酬で最終的なクロージングのハードルを下げる
「売る」のではなく「診断する」。この発想の転換が、電力テレアポの突破口になる。
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