教育委員会・学校へのテレアポ攻略|EdTechツール提案で刺さるトーク設計

教育委員会や学校へのテレアポは、BtoB営業の中でもかなり特殊な領域だ。担当の先生は授業中で電話に出られない、教材の選定プロセスが独特、予算は年度ごとに決まっている――こうした制約を理解していないと、何百件かけても成果は出ない。

今回は、オンライン英語教育ツールを例に、教育機関へのテレアポで確実にアポを取るためのトーク設計を見ていこう。

学校と教育委員会、どちらに先にかけるべきか

教材の導入プロセスは地域によって異なるが、大きく分けて2パターンある。

パターン意思決定の流れテレアポの順序
教育委員会主導型教育委員会 → 管内学校に展開教育委員会を先に攻める
学校裁量型各学校が独自に選定学校に直接アプローチ

教育委員会を先に攻めるメリットは、1回のアポで管内の複数校への導入につながる可能性があること。ただし、意思決定に時間がかかるのがデメリットだ。

「管内の学校様にご連絡する前に、まずは教育委員会様のご担当の方に他地域での活用事例をお伝えできればと思いまして」

このフレーズは、「ちゃんと筋を通している」という印象を与えられる。教育委員会の担当者は、現場の学校を飛び越えて営業されることを嫌うので、この順序は重要だ。

受付突破:大手出版社グループの看板を活かす

学校の受付(事務室)を突破するには、教育業界で知名度のある組織名を出すのが効果的だ。

「大手出版社と印刷大手のグループ会社でして、英語の副教材についてお分かりになる英語科の主任の先生はお手すきでしょうか」

「大手出版社のグループ」と聞くと、事務の方は「教科書関連の会社かな」と思って取り次いでくれる。

用件を聞かれた場合:

「全国400校以上の教育機関にオンラインの英語教育ツールを提供させていただいておりまして、副教材を扱っている先生にお話しできればと」

「400校以上」という数字が信頼感を生む。「よく分からないベンチャーのツール」ではなく「実績のあるサービス」だと伝わる。

先生が不在の場合の情報収集

学校にかけると、先生が授業中で出られないことが多い。その場合は事務の方から情報を引き出す。

「かしこまりました。英語の副教材については、どちらの先生にご連絡すればよろしいでしょうか? 何時限目がお手すきでしょうか?」

先生の名前と空き時間を聞いておくだけで、次の電話の成功率が格段に上がる。

先生への切り出し:「知っていますか?」で入る

先生につながったら、まず認知度を確認する質問から入る。

「以前資料を郵送させていただいたのですが、先生、弊社のサービスはお聞きになったことか、ご覧になったことはございますか?」

知っている場合

「ありがとうございます! 今、来年度の補助教材を検討される学校様が非常に多いので、次年度の補助教材として、内容がよければぜひご検討いただければと思いまして」

知らない場合

「大変失礼いたしました。来年度の補助教材の検討時期ということもありまして、内容がよければご検討いただければと、まずはオンラインで情報提供の機会をいただけたらと思っているんですね」

どちらの場合も、「来年度の教材選定」というタイミングに乗せてアポを提案するのがポイントだ。

EdTechツールの魅力を30秒で伝える

先生は忙しい。長々と説明する時間はない。30秒で核心を伝える必要がある。

「1万5千本以上の動画が月替わりで、例えば有名スポーツ選手のニュースや人気映画のワンシーンにセリフがついていて、アフレコのようなことができるんですね。その英語が合っているかAIが採点もしてくれます。楽しく学べるだけではなく、教科書に準拠していますので、テストもワンクリックで作成できて、先生方にも好評いただいています」

この説明で伝えているのは3点:

  1. 生徒が楽しめる: 動画ベースで飽きない
  2. 先生の負担軽減: テスト自動作成
  3. 教科書に準拠: カリキュラムから外れない

特に「テスト作成の時間が90%削減」というデータは、先生にとって非常に魅力的だ。

「資料を送ってください」への切り返し

学校の先生は忙しいので、「資料送って」で終わらせようとすることが多い。

「実は以前何度かお送りしているんですよね(笑)。今回お電話したのは、ただ英語学習するだけではなく、教科書に準じたテストを自動で作れる機能もありまして、先生のテストに割く時間を90%以上削減できた事例もあったものですから。教員の皆様の働き方改革のお手伝いの部分もございますので、一度40分ほどお時間いただけませんか」

**「働き方改革」**というキーワードは、教育現場では非常に響く。教員の長時間労働が社会問題になっている中で、業務負担を減らせるツールには前向きになってもらえる。

無料トライアルの提案

EdTechツールのテレアポでは、「無料トライアル」という強力なカードがある。

「検討の余地があれば、無料トライアルで今年度は費用をいただかずにお試しいただけます」

年度途中でも「お試し」から始められるなら、先生のハードルは一気に下がる。本格導入は来年度、今年度はトライアル――この2段階の提案が教育機関攻略のセオリーだ。

アポ設定の注意事項

教育機関へのアポ設定には、いくつかの独自ルールがある。

  • 所要時間は40〜50分: 30分では内容を伝えきれない。デモ体験も含めると40分は必要
  • 中2日以上空ける: 先生は急な予定変更が多いので、あまり近い日程は避ける
  • オンライン推奨: 学校に外部の人が来ることへの抵抗感がある。オンラインの方がハードルが低い
  • 長期休暇を活用: 夏休み・冬休み中にご出勤される先生もいるので、この時期は狙い目

「先生お忙しいかと思いますが、〇日の週か〇日の週で、40分ほどお時間をいただけたらと思うのですが」

「〇日か〇日」ではなく「〇日の週か〇日の週」と週単位で聞くのが教育機関テレアポのコツ。先生は日によって時間割が異なるため、特定の日を指定すると断られやすい。

まとめ

教育委員会・学校へのテレアポは、教材選定のプロセスとタイミングを理解した上でアプローチすることが成功のカギだ。「400校以上の導入実績」で信頼を得て、「テスト作成時間90%削減」で先生の課題に刺さり、「無料トライアル」でハードルを下げる。教育機関特有のルールを守りながら、粘り強くアプローチしよう。

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