テレビドラマ衣装協力のテレアポ術|PR・広報担当を動かすトーク設計
アパレルブランドや雑貨メーカーにとって、テレビドラマで自社製品が使われるのは強力なPR手段だ。人気俳優が着用した衣装がSNSでバズり、翌日には完売――そんな事例も珍しくない。
ただ、この「テレビドラマへの衣装貸出」をテレアポで提案するのは、なかなかハードルが高い。広報担当者はスタイリストから無料の貸出依頼を受け慣れているし、「有料なら要らない」と言われがちだ。今回は、PR・広報担当者を動かすトーク設計を見ていこう。
受付突破:「テレビドラマの衣装貸出」で興味を引く
PR系のテレアポで受付を突破するコツは、相手が普段受けている営業電話とは違う印象を与えることだ。
「テレビドラマや動画配信サービスなどで衣装貸出を行っている会社でして、広報かメディア担当の方はお手すきでしょうか」
「テレビドラマ」「衣装貸出」というワードは、受付の人にとっても新鮮に聞こえる。いつもの広告営業やシステム営業とは明らかに違うので、「何だろう?」と興味を持って取り次いでもらえる確率が上がる。
用件を聞かれた場合:
「テレビや映画で利用する衣装の貸出の件で、一度お打ち合わせの時間をいただきたくご連絡しました」
シンプルに目的を伝えること。ここで長々と説明すると逆効果だ。
担当者への切り出し:ブランド名を出して個別感を出す
広報担当者につながったら、相手の商品を事前にリサーチしていることを示すのが重要だ。
「御社の〇〇(ブランド名やメイン商品)をテレビドラマ等で俳優さんに着用していただいて、認知度を上げてイメージ向上が可能だったものですから、一度どのドラマで利用できるかなどのお打ち合わせのお時間をいただきたいのですが」
ここでのポイントは、具体的なブランド名を出すこと。「御社の製品を」ではなく「御社の〇〇を」と特定することで、「ちゃんとうちのことを調べてくれている」という印象を与えられる。
最大の壁:「有料ならスタイリストさんに無料で貸せばいい」への対応
PR・広報担当者からの反応で最も多いのがこれだ。
「スタイリストさんから無料で貸してくれって言われるんですよね。有料だとちょっと…」
ここで怯んではいけない。むしろ、有料だからこそのメリットを具体的に伝えるチャンスだ。
切り返しトーク
「確かに費用をかけないというのは大きな部分ですよね(笑)。ただ、無料貸出との違いが3つありまして――」
1. ターゲット視聴者層を指定できる
「御社の購買層に近い方がご覧になるドラマを、こちらから指定して着用してもらうことが可能です」
無料の場合、スタイリストの好みで使われるため、ターゲット層とずれることがある。有料ならドラマを選べるのが強みだ。
2. リメイク・配信で永続的に露出される
「人気ドラマはリメイクされて動画配信サービスで全世界に配信されます。その際は追加費用が発生しませんので、1回の投資で永続的に露出が続きます」
バラエティでのワンタイム露出とは違い、ドラマは再放送やリメイクで何年も視聴される。このROIの高さは、広報担当者に刺さるポイントだ。
3. 俳優のプライベート購入→SNS拡散の可能性
「俳優さんがドラマで着用した衣装を気に入ってプライベートで購入し、SNSで紹介されて大きな反響を得た事例もあります」
実際にこういった「二次的な露出」が起きると、広告費に換算すれば何百万円にもなる。テレアポでこの事例を伝えると、「面白いな」と思ってもらえることが多い。
「忙しくて無理」への対応:仮押さえテクニック
広報担当者は忙しい。「ちょっと無理なんですよ」と言われることも多い。
「かしこまりました。ちょっとご提案なのですが、来月に入ったら入ったで、さらにご予定が入ってくると思いますので、例えば8日か9日に一旦押さえさせていただいて、前週に改めてお電話します。いかがでしょうか」
このトークのポイントは2つ:
- 先延ばしにすると余計に忙しくなることを示唆
- 仮押さえ + 事前確認で心理的ハードルを下げる
「今日が何日で、お忙しいと思いますので、来週の〇日か〇日はいかがですか」と、具体的な日付を2択で提示するのも効果的だ。
アポ取得後の情報収集
アポが取れたら、電話の最後に追加のヒアリングを行う。
「ちょっと確認なのですが、御社で今注力されている商品ラインはありますか? 担当に伝えて事例を用意させます」
「何かご質問や、準備しておいてほしいものはありますか?」
この一言があるだけで、「ちゃんとした会社だな」という印象が生まれ、当日のキャンセル率も下がる。
PR系テレアポの時間帯とコツ
PR・広報部門への電話は、午前中の10時〜11時半が最も繋がりやすい。午後はプレスリリースの対応やメディア取材が入りやすく、電話に出てもらいにくい。
また、PR系のテレアポでは電話の終わり方も重要だ。
「お忙しいところ長電話してしまいまして! よろしくお願いいたします。ごめんくださいませ」
最後を明るく締めることで、電話を切った後の印象が良くなる。次の電話やメールでのやり取りがスムーズになる小さなテクニックだ。
まとめ
テレビドラマ衣装貸出のテレアポは、一般的なBtoB営業とは異なる独特のアプローチが求められる。「無料貸出との差別化」を明確に伝え、リメイク配信やSNS拡散という長期的なROIを武器にすることで、有料サービスでもアポが取れるようになる。PR担当者は忙しいが、「面白い提案だな」と思えばちゃんと時間を取ってくれるものだ。
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