人的資本経営テレアポ——ビジネスシミュレーション研修を人事に提案するコツ

「人的資本経営」は2026年最強のテレアポフック

人的資本経営——この言葉、ここ2年で急速に広まった。経済産業省が旗を振り、上場企業には人的資本の情報開示が義務化され、非上場企業にも波及しつつある。

しかし、多くの企業の実態はこうだ。「ダイバーシティやコンプライアンスは対応済み。でも人材育成やエンゲージメントは何をすればいいか分からない。」

ここにテレアポの商機がある。ビジネスシミュレーション型の研修プログラムは、まさにこの「人材育成・エンゲージメント」の穴を埋めるサービスだ。

ターゲットは人事の「人材開発」担当

人的資本経営の話を持ちかけるなら、アプローチ先は**人事部門の中でも「人材育成」「人材開発」**を担当している人だ。採用担当ではない。

受付トークはこうなる。

「こちら某研修サービス企業のAです。経済産業省が推進しております人的資本経営の件でございまして、人事の人材育成や研修のご担当者様はお手すきでしょうか」

「経済産業省」のワードが受付に効く。 公的機関の名前が出ると「何か重要なことかもしれない」と思ってもらえるため、取り次ぎ率が上がる。

用件を聞かれたら、

「経済産業省が推進している人的資本経営を推進している会社でして、人材育成のお話ですと人事のご担当者様がいらっしゃるかと思いまして」

担当者トーク——大手実績で引きつける

ステップ1: 実績で信頼を獲得(20秒)

「某大手損害保険会社様や大手外資系製薬会社様など多くの企業様で、経済産業省が推進する人的資本経営の育成とエンゲージメントに特化した『ビジネスシミュレーションプログラム』という研修のお手伝いをしています」

ここで**誰もが知っている企業名(匿名でも業種で分かるレベル)**を出すことが重要だ。人事担当者は「うちの競合もやっているのか」と思った瞬間に関心を持つ。

ステップ2: 現状のヒアリング(10秒)

「ちなみに御社では、人的資本経営の取り組みはすでにされていらっしゃいますか?」

回答は大きく2パターンに分かれる。

「はい」の場合:

「ダイバーシティやコンプライアンスに目が行きがちな人的資本経営でも、なかなか取り組みづらい従業員のエンゲージメント向上の部分で成果を出させていただいておりまして」

「いいえ」の場合:

「多くの企業様でダイバーシティやコンプライアンスは問題なくクリアされていますが、人材育成まで取り組めていないという声が多く、そこで成果を出させていただいています」

どちらの回答でも、「エンゲージメント」と「人材育成」という具体的な領域に話を絞るのがポイントだ。「人的資本経営全般の話です」と言うと漠然としすぎて響かない。

ビジネスシミュレーション研修とは何か

テレアポの段階で研修内容を詳しく説明する必要はないが、「何が新しいのか」を30秒で伝えるスキルは必要だ。

「パイロットやスポーツ選手、医師が本番前にシミュレーション訓練をするように、ビジネスの意思決定をシミュレーションで学ぶプログラムです。営業、マーケティング、サプライチェーン、財務といった経営テーマを1〜3日間で疑似体験して、より適切な意思決定を学びます」

この説明で担当者が「面白そう」と思ったら勝ちだ。テレアポでは「面白そう」と思わせることが目的で、詳細は対面の場に持ち越す。

人的資本経営が「銀行の評価に影響する」という切り口

非上場企業には「人的資本経営なんて上場企業の話でしょ」と言われることがある。この断りに対する切り返しが強力だ。

「上場企業だけの話ではなくて、実は今後の経営指針や銀行さんの融資評価にも関わってくるんです。最近の調査でも、特に20代の働きがいにおいて成長環境が重要という数字が出ていまして」

銀行の評価に影響する——この一言は経営者や管理部門に確実に刺さる。融資条件にESG要素が組み込まれ始めている現在、人的資本への投資は「コスト」ではなく「信用力」になりつつある。

エンゲージメントを「定量化」できる強み

研修サービスのテレアポで最大の壁は、「効果が見えない」という人事の不安だ。「研修を受けたけど何が変わったか分からない」という経験を多くの人事が持っている。

ビジネスシミュレーション型の研修には、この壁を突破する武器がある。

「シミュレーションを通じて、今まで経理だった方が経営企画にチャレンジしたいと言い出すなど、従業員の新たな実力や志向が可視化されるんです。人事考課やタレントマネジメントにもお役立ていただいています」

ここでのポイントは**「研修の効果が人事考課に使える」**という実務的なメリットを伝えること。「社員が成長します」という抽象的な話ではなく、「配置転換の根拠になる」という具体的な活用シーンを見せる。

日程設定と訪問提案

人事の人材開発担当者は比較的アポが取りやすい。なぜなら、常に新しい研修プログラムの情報を集めているからだ。

「日を改めて、なかなか開示されない上場企業様での事例など具体的なお話をさせていただきたいのですが、来週の〇日か〇日ではいかがでしょうか」

**「なかなか開示されない上場企業の事例」**という表現が効く。人事にとって他社事例は喉から手が出るほど欲しい情報だ。「開示されない」と言うことで希少性を演出できる。

可能であれば訪問提案も入れよう。

「ご挨拶方々お伺いして、情報提供のお時間をいただければと思っていたのですが」

研修サービスはオンラインより対面のほうが成約率が高い傾向がある。実際にシミュレーションのデモを見てもらうことで、導入のイメージが湧きやすくなる。

断り文句への切り返し

「今は研修の予定がない」

「来年度の予算計画の参考として、他社様の事例だけでもお聞きいただけませんか。30分で結構です」

「すでに研修会社と取引がある」

「もちろん既存のプログラムと併用していただく形で大丈夫です。ビジネスシミュレーションは座学の研修とはまったくアプローチが違うので、補完として導入される企業様が多いです」

「効果が見えない研修にお金は出せない」

「まさにその課題を解決するプログラムです。シミュレーションの結果が数値化されるので、研修前後の変化を客観的に測れます」

まとめ

人的資本経営を切り口にしたビジネスシミュレーション研修のテレアポは、「経済産業省」「銀行の評価」という公的なフックで受付を突破し、「エンゲージメント向上」「タレントマネジメントへの活用」という実務的メリットで担当者を動かす。上場企業の非公開事例を匂わせることで希少性を演出し、30分の情報提供にアポを落とし込もう。


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