テレアポの受付突破|「公的機関の後ろ盾」を使うアプローチ術
受付突破の切り札:「公的機関」の名前を出す
テレアポで最初にぶつかる壁が受付突破だ。「営業電話はお断りしています」と言われて終わり、という経験は誰しもあるだろう。
ただ、ある種の商材では公的機関の名前を出すことで、受付突破率が劇的に変わることがある。たとえば障害者雇用や働き方改革、環境対策など、行政が推進している分野の商材だ。
「弊社が厚生労働省より正式な委託を受けて、障がい者のテレワーク雇用推進や相談窓口を開設している会社でございまして」
このトークを聞いた受付は、「営業電話」ではなく「行政関連の連絡」と認識する。もちろん嘘はダメだ。実際に公的な委託を受けている、助成金の申請サポートをしている、業界団体と連携しているなど、事実に基づいた表現であることが大前提だ。
なぜ「権威」が効くのか
心理学では「権威への服従」と呼ばれる現象がある。人は権威ある存在からの要請には、そうでない場合に比べて従いやすくなるという原理だ。
テレアポの現場で言えば、受付の判断基準は基本的に「この電話は取り次ぐべきか、断るべきか」の二択だ。その判断において、「厚労省の委託」「経産省の推進事業」といったワードは、「断ったらマズいかも」という方向に作用する。
ただし、注意点がある。権威を振りかざすのではなく、さりげなく織り込むことだ。
「調査ではないのでご安心ください」——アイスブレイクの技術
公的機関の名前を出すと、受付を突破できる確率は上がる。ただ、担当者に繋がったときに構えられてしまうという副作用がある。「行政の調査か?」「何か問題があったのか?」と警戒されるのだ。
これを解消するのが、冒頭のアイスブレイクだ。
「本日は何か調査といったお話ではないのでご安心いただければと思います(笑)」
この一言で、担当者の緊張が一気にほぐれる。「笑」のニュアンスが大事で、堅い口調で言うとかえって怪しくなる。軽く笑いながら「大丈夫ですよ」という雰囲気で伝えるのがコツだ。
大手企業の名前で「社会的証明」を作る
公的機関の権威で受付を突破したら、次は担当者の興味を引く番だ。ここで使えるのが社会的証明——つまり「大手企業も使っています」というアプローチだ。
「いままで弊社で某大手生命保険会社様や某大手不動産会社様、某大手電機メーカー様など5,000社以上の支援を行ってきまして」
ここでのポイントは2つ。
1. 具体的な社数を出す
「多くの企業様に」ではなく「5,000社以上」。数字があるだけで信頼度が違う。テレアポでは「多い」「少ない」という形容詞より、「5,000社」「2万1,000人」という具体的な数字のほうが圧倒的に刺さる。
2. 業種の異なる複数社を挙げる
生命保険、不動産、電機メーカーと、業種をバラけさせて3社挙げているのがミソだ。これにより「幅広い業界で使われている」=「汎用的で信頼できるサービス」という印象を与えられる。
同業種ばかり挙げると「うちの業界に特化しているのか」と思われるが、業種を散らすことで「業界を問わず導入されている」という安心感が生まれる。
課題の「あるある」で共感を生む
担当者との会話に入ったら、相手の業界特有の課題を言語化して共感を得る。
たとえば障害者雇用の文脈なら、こんなトークが効く。
「なかなか障害者雇用となると、かなり職種が限定されてしまって採用しづらかったり、ハローワークさんからですと精神障害の方もかなり多くて、ある意味いるだけになってしまう場合もたくさんあると思うんですね」
これは担当者が日々感じているが、なかなか口に出しにくい「本音」だ。この本音をこちらから代弁することで、「この人は現場の事情を分かっている」と信頼される。
重要なのは、課題を語るだけで終わらないこと。共感を得たら、すぐに解決策に繋げる。
「で、実は我々が障害者専門の某求人メディアを運営しておりまして、2万1,000人以上の登録があって、健常者の方と同じスキルを持った即戦力の人材が豊富におりますので」
課題→解決策の流れがスムーズだと、「じゃあ一回聞いてみようか」となりやすい。
テレワーク × 地方人材という「新しい切り口」
テレアポでは、新しさも武器になる。担当者は日々同じような営業電話を受けているので、「聞いたことない切り口」には興味を持ちやすい。
「本日は地方の障害者の方のテレワーク雇用の件でご連絡を差し上げたんですね。地方の方から雇用のご相談も最近非常に多くて、御社と同じ業界ですとテレワークで活躍されている方もいます」
「地方 × テレワーク × 障害者雇用」という3つのキーワードの組み合わせは、多くの担当者にとって新鮮だ。「うちでもできるのか?」という好奇心を刺激できる。
新しい切り口を提案するときのコツは、すぐに「やってください」と言わないことだ。
「何かすぐに動いていただきたい話ではなかったのですが、今後の参考に一度お話をお聞きいただきたく」
「今後の参考に」というフレーズは、相手のコミットメントを最小限にする魔法の言葉だ。
このテクニックが使える商材の条件
「公的機関の後ろ盾」テクニックは万能ではない。使える条件がある。
- 実際に公的な認定・委託・連携がある——嘘は絶対NG。景品表示法にも抵触しかねない
- 行政が推進しているテーマと関連がある——障害者雇用、働き方改革、DX推進、脱炭素、地方創生など
- 社会的意義がある——受付が「断ったらマズいかも」と思える内容であること
自社の商材にこれらの要素がないか、一度棚卸ししてみるといい。意外と見落としている公的な認定や業界団体との連携が見つかることがある。
まとめ
公的機関の権威を活用したテレアポは、正しく使えば受付突破率を大きく改善できる。ポイントは以下の3つだ。
- 権威はさりげなく織り込む——振りかざすのではなく、自己紹介の中に自然に入れる
- アイスブレイクで警戒を解く——「調査ではないです(笑)」で担当者をリラックスさせる
- 大手企業の名前で社会的証明を作る——具体的な数字と業種の異なる複数社で信頼感を醸成する
使える商材は限られるが、ハマったときの効果は絶大だ。自社に使える「権威」がないか、今一度チェックしてみてほしい。
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